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「もーお、快君たら、どおして先に行っちゃうの?」
楽屋のドアを開けるなり、眞那はそう言った。
「うーっ、だって僕、あの人たち、あんまり好きじゃないんだもん」
快はスタッフたち大人が苦手だった。
楽屋は眞那と快の二人だけだった。当然撮影現場には二人の母親がつきそいとして来ていたが、今はスタッフと打ち合わせ中だった。
「あーまた粘土いじってる。そんなに好きなの?」
「うん、今日もね、百均でね、来るときにね、買ってもらったんだ」
快は満面の笑みでそう言った。そして、粘土のかたまりをいくつかに分け、それぞれ形作ると器用に組み合わせ、乗用車を完成させた。
「すごーい!快君、じょうずだね」
「へへーっ」
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