人間界の出来事-1

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「もーお、快君たら、どおして先に行っちゃうの?」 楽屋のドアを開けるなり、眞那はそう言った。 「うーっ、だって僕、あの人たち、あんまり好きじゃないんだもん」 快はスタッフたち大人が苦手だった。 楽屋は眞那と快の二人だけだった。当然撮影現場には二人の母親がつきそいとして来ていたが、今はスタッフと打ち合わせ中だった。 「あーまた粘土いじってる。そんなに好きなの?」 「うん、今日もね、百均でね、来るときにね、買ってもらったんだ」 快は満面の笑みでそう言った。そして、粘土のかたまりをいくつかに分け、それぞれ形作ると器用に組み合わせ、乗用車を完成させた。 「すごーい!快君、じょうずだね」 「へへーっ」
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