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瑞穂はバスを降りた。
何処か寂し気な夜。
星が見えない曇り空。
見上げながら歩く。
「好きな人のために、
私が出来ること。
もう、ないのかな?」。
ふと心の中で呟いた。
するとスマホに着信が…。
「そんなことないよ」。
名前のないメッセージ。
「誰でもいいから、
教えて欲しい。
その人が本当に、
元気になれること」。
また短い返事が来た。
「優しいんだね。
明日までに考えよう」。
瑞穂は待つことにした。
翌日のほぼ同じ時間帯。
バスから降りた帰り道。
前を歩く2人が言った。
「上を見てみて!
めちゃ星が綺麗だよ」。
「うわっ、なんか、
心が洗われるね」。
今まで見たことがない。
東京とは思えない景色。
幾つもの星が光ってる。
「空みたいな存在。
何よりそれを目指そう。
好きな人のためにも、
自分自身のためにも…」。
瑞穂は答えを受け取った。
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