15人が本棚に入れています
本棚に追加
鷹宮の教会に、
いつもは鳴り響くことのない結婚行進曲が鳴り響く。
蓮井が演奏するパイプオルガンの音色が、
空間を包み込んでいく中、氷夢華が親父さんと一緒に一歩ずつオレの方へと近づいてくる。
オレの隣にへと氷夢華が到着すると、
今度は二人並んで、ゆっくりと祭壇の前まで足を踏み出す。
結婚式は、讃美歌の斉唱、聖書の朗読へと厳かに続いていく。
「嵩継さん、あなたは氷夢華さんと結婚し妻としようとしています。
あなたは、この結婚を神の導きによるものだと受け取り、
その教えに従って、夫としての分を果たし、常に妻を愛し、
敬い、慰め、助けて変わることなく、その健やかなるときも、病めるときも、富めるときも、貧しきときも、
死が二人を分かつときまで、命の日の続く限り、あなたの妻に対して堅く節操を守ることを約束しますか?」
神父の言葉に「誓います」と、力強く宣言する。
「氷夢華さん、あなたは嵩継さんと結婚し夫としようとしています。
あなたは、この結婚を神の導きによるものだと受け取り、
その教えに従って、妻としての分を果たし、常に夫を愛し、
敬い、慰め、助けて変わることなく、その健やかなるときも、病めるときも、富めるときも、貧しきときも、
死が二人を分かつときまで、命の日の続く限り、あなたの夫に対して堅く節操を守ることを約束しますか?」
オレに問われた内容そのままにアイツにも問いかける神父。
アイツはベールを被ったまま、チラッとオレの方に視線を向けると、
「はい。誓います」っと言葉を続けた。
その後も、結婚式はお互いの署名を交わすなどの儀式を続けて終わり、
今度はケアセンターの中庭での、ホームパーティーへと舞台は変わっていく。
タキシードのまま、お色直しをした氷夢華を連れて姿を見せた途端、
海斗んちのおばさんは、嬉しそうにオレたちに微笑みかける。
「嵩継さん、今日の料理、海斗さんの考えてたレシピなんですよ。
海斗さんの遺言だったんですよ。
何時、結婚されるかハラハラしてましたけど、
無駄にならなくてよかったです。
本日はおめでとうございます」
そういって、アイツの後輩もオレたちを祝福してくれた。
最初のコメントを投稿しよう!