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生まれて来る子供の性別は、男だと言うことがわかった。
アイツのお腹をポコポコと蹴りくれるやんちゃ坊主は、
オレたちの予想よりも早く、外の世界に出たがったのか、
その日は突然訪れた。
当直をしていたオレの元に「破水したかも……」と氷夢華が一報が入る。
聖也さんに断りを入れてオレは病院から飛び出すとマンションへと、
駆け戻る。
マンションには、何枚ものバスタオルを巻いて、
出掛ける準備をしていた氷夢華が居た。
「氷夢華っ」
「兄貴、帰ってきてくれたんだ。
自分じゃ運転していけないし、
タクシー捕まるかなーなんて思いながら、
準備してたんだ」
そうやってオレにどっしりと構えながら言うアイツ。
「聖也さんに抜けさせてもらった」
そう言うと、氷夢華をマンションから連れ出して、
用意された入院セットの入ったカバンを手にしてオレの車へと誘導する。
「陣痛は始まってんのか?」
オレの問いに氷夢華は首を傾げた。
車の中から鷹宮へと連絡を取ってアイツの主治医を捕まえる。
妊娠中期頃から見られるようになったアイツの貧血を気にしながら、
アイツを病院へと送り届けた。
アイツを迎え入れてくれたのは私服姿の水谷さん。
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