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B社製の流星群が降りそそぐ夜。金属バットを片手に、僕は街を駆け抜ける。流れ星が落ちそうな地点に狙いをつけ、僕はがむしゃらにバットを振り、ホームランを狙う。御社で働かせて欲しい、と願いをこめて!
これを就職試験と言ったら、だれもが耳を疑うだろう。けれど、事実だ。現に、僕と同じようにリクルートスーツを着た人々がバットを振りまわしている。
キラリと尾を引き、流れ星が降ってきた。僕はライバルたちを押しのけ、ここぞとばかりにバットを振る。
ゴキンッ。鈍い音がライバルたちを震わせ、夜空にホームランのメッセージを浮かびあがらせた。内定が決まった瞬間である。
そして、見事に打たれたB社の社員が宇宙のどこかに左遷されていく。
僕は再び願う。
配属先にどうかあの社員の方がいませんように、と。
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