Epilogue Glass Tear

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同棲を始めたとき両親から持たせてもらったお金は、自分のだけれど自分のじゃないと思っている。 戒斗が好きなものだからこそ、自分で溜めたお金を使いたい。 戒斗にはそう云って、いまバイクを買うのは保留状態だ。 溜まる頃、渡来自動車でバイク事業部が興ることになったらいいかもしれない。 「そう簡単にいくわけないだろ」 叶多の思考ともタイミングよく、陽と孔明は口をそろえて戒斗に突っこむ。 その隙に叶多は素早くその場を離れた。 が、もっと素早く戒斗が咎めた声をかける。 「叶多」 「……ちょっとガラスの出来具合を見てくる!」 目を細めた戒斗が、首をひねるか否かのうちに、叶多は背中を向けた。
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