ウチは元々生獣にゃん!

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ウチは元々生獣にゃん!

「ミーにゃん、お早うにゃん」 「遅(おそ)ようなのわん。もう陽は朝半ぐらいまで昇ってしまったわん」 「もう朝と昼の真ん中にゃの?  申しわけにゃい。ウチとしたことがつい寝坊してしまってにゃあ」 「つい、じゃなくってほとんど毎日なのわん。  今日は朝早くから謎の洞穴を探検しようって、昨夜、決めたじゃない。  それなのに……んもう、少しはこっちの身にもなって欲しいわん。  出かける準備だって、とぉっくに出来ているのにさ。  親友が起きるのをひたすら待ち続けなきゃならないんだから」 「面目にゃい。でもにゃ、ミーにゃん。  寝坊をしたことはしたのにゃけれども、おかげでにゃ、  ウチは夢の中で開眼したのにゃん」 「はて? 夢の中って、おネムしている真っ最中よね?  なのに目を開けたなんて……あっ。そういえば」 「にゃんにゃの?」 「いや、この前のことなんだけどね。  ミリアんが目を開けたままおネムしていたの。  これってひょっとして、そういうブームの到来わん?」 「ミリアにゃんのはおネムじゃにゃい。妄想に耽っていたにゃけにゃん」 「あっ、そうか。だったら、ミアンのは?」 「違うわ、ミーナちゃん。『開眼』っていうのはね。  目を開けたんじゃなくて、悟ったって意味よ」 「あっ。イオラ、お早うわん」 「イオラにゃん、お早うにゃん」 「はい、お早う。  そうでしょ? ミアンちゃん」 「さっすがはイオラにゃん。良ぉく判っていらっしゃるのにゃん」 「ふ、ふん。そ、そんなのアタシだって端っから判っていたわん。  ミアンのお喋りのレベルに合わせようとしただけなのわん」 「ふふっ。ミーナちゃんったら。まっ、そういうことにしておきましょうか。  それでミアンちゃん。一体なにを開眼したの?」 「そう。それよ。一体なにを悟ったわん?」 「良くぞ聴いてくれましたのにゃん。  夢の中でにゃ。こんにゃお告げが文字で記されてあったのにゃん」
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