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『お前はかつて生獣であった。その誇りを忘れぬように』
「脳裏に焼きついたその文書を何百回とにゃく繰り返し読んにゃのにゃ。
そして……、はた、と気がついたのにゃ。全てが判った気がしたのにゃん。
目からウロコがはがれるとは、まさにこのこと。
はがれたウロコがお魚とにゃってにゃ。
でもって、湖『彩花(さいか)』で泳いでいてにゃ。
ウチに食べられるのを手ぐすね引いて待っている、というわけにゃん。
どうにゃ? すっごいにゃろう?」
「すごいわぁ、ミアンちゃん。本当の本当に開眼するなんて。
しかもお魚さんまで造っちゃって。ついに神の境地に達したのね」
「ええとぉ……ごめん。ミアン、あやまるわん。
あやまるからアタシにも良ぉく判るように説明して欲しいわん。
一体全体なにをどう悟ったのわん?」
「ミアンちゃん。迷い子が正しき道を模索しています。どうか救いの手を」
「うむ。にゃら、喜んで教えてしんぜるのにゃ。
この文の中でもっとも重要にゃキーワード。それは……。
ずばり、『生獣』にゃん」
「せいじゅう? ミアンって本当はあらあらしい、ってこと?」
「のんのん。『せいじゅう』じゃにゃいのにゃん」
「ネコ差し指なんか振って、なに気取って……ううん、なんでもないわん。
こっちのひとりごと。気にしないで欲しいわん。
それでそれで? 『せいじゅう』じゃないなら、なんなのわん?」
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