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「どう? すごいでしょ!」
彼女は得意げに胸を張って、きらきらした笑顔でくるくると回りはじめた。
僕も彼女のマネをして、くるくると彼女の周りを歩いてみたら、彼女はころころと声をあげて笑った。
そして彼女はすとんと座ると、クローバーを摘んで1本2本とつなげ始めた。
僕も彼女の隣で座って、紡がれていくクローバーたちを眺めていた。
摘まれて命を失ったはずのクローバーたちが、彼女の手でまた新しい命を吹き込まれているみたいだった。
やがてクローバーたちは円を描いて、小さな冠に生まれ変わった。
「はい、これあげる」
彼女はちょん、と僕の頭にクローバーの冠を乗せ、照れくさそうに笑った。
「すっごく似合うよ」
そう言って、彼女は僕の頭をなでてくれた。
彼女の魔法の手が、僕にあたたかい気持ちを教えてくれたみたいだった。
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