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「何だ、この声!」
「パパ、ママ、知らないひとの声がするよ!」
「にゃー!」
「みんな聞こえてるの!? じゃあ幻聴じゃないのね!?」
“そうです……幻聴ではないです……”
“私の存在を理解しようとせず受け入れなさい”
“私は『願い星』。その名のとおり、願いを叶える星です”
「まんま過ぎだろ!」
“うるせぇです……あなた仮に私の名前が『暗黒星』だったらどうするんですか……明智小五郎を呼びますか……”
「ビミョーにマニアックですね!」
“まぁ雑談はこれくらいにして、本題に入りましょう……”
“私は願い星。あなたたちの願いを叶えるために地上に降りました……今、おうちのベランダにいます……”
“目は開けない方がよろしいですよ……光が強すぎて目ぇつぶれます……”
「物騒!!」
中山一家は声をそろえて叫び、顔を手で覆った。
“全宇宙願い星協会の厳正なる抽選の結果、今年はあなたがた家族の願いを叶えることになりました……おめ”
「そこは『おめでとうございます』ってちゃんと言ってくださいよ!」
“細かいこと言わないでください……こちとら光ってるんです……大気圏やばかったんです……重力まじパネェです……”
“で、願い事するんですかしないんですか”
「いや、それはもちろんしたいです!」
お父さんが言うと、一家は口々に願い事を叫び出した。
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