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もう二度と会えないと思っていた妻が、
私達の目の前に突然現れてくれたような
……………そんな感覚だった。
夜空にちりばめられた星達と同様に、瞳を
光り輝かせながら、じっと空を見つめる息子を
傍らで見守っていた私は思ったのである。
「…今、俺とこいつは…同じ気持ちであの星を
眺めているんだろうな……きっと。」
私は無言のまま、そっと息子を抱き寄せた。
そしていつしか、心の中で妻に話し掛けて
いたのであった。
(…なぁ…流美、俺は結局…煌輝に嘘なんて
ついちゃいなかったんだよな……。今、煌輝
の顔を見てそう思ったよ…。
夜空を見上げればお前に会える……… それは
本当の事だったんだね…。
流美……俺、頑張るから…だからお前も俺達
の事…ずっと見守っていてくれよな……
一輝より)
私がそう願うと……………
微笑みを浮かべた妻が…………
眩しく光る “オリオン座” に………
重なって見えたような気がした。
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