第1章

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 小さかった僕はそう言いながら、父に抱きかかえられながら笹の木に短冊をつけた。  「でも僕、怖がりだからパパみたいに強くなれるかな?」  「パパだって怖がりだよ」  父はそう言いながら、抱きかかえた僕を下した。  「でもパパは、警察官で悪者をやっつけているんでしょ?」  「う~ん、確かに悪者をやっつけることもあるけど、パパだって怖いよ。でもパパは困っている人を助けるために悪者をやっつけてるんだ。誰かを守るときにこそ、人は強くなれるんだよ。だから康一も強くなれるよ」  父はそう言いながら、小さかった僕の頭を撫でてくれた。  僕はもう一度、目の前にある短冊を読んだ。  『パパのようになりたい』  僕は空を見上げると、七夕には珍しく今日は天気がいい。星がきれいに見えた。  僕は貴志を探しに駆け出した。    
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