あの日の空に似て

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 これも後で知ったことだったけれど、斜面を滑り落ちた先が彼の言っていたその場所だったらしい。意図せず、本来の道筋を省略していたということらしかった。 「でもちゃんと見つけてくれて、ギュッてしてくれたもんね」 『……それくらい心配してたんだよ。おじさんやおばさんだって、そうだったろ?』 「うん」  お母さんが泣きながら手当をしてくれて、その後にお父さんから夜通し説教を受けた。お父さんは普段は穏やかだったから、それだけ心配を掛けたんだと、改めて自覚してまた泣きそうになったんだ。  無鉄砲な行動をして、色んな人に心配を掛けて。たくさん泣きながら、一人きりでいることの辛さを知って。  ……そして、大切な人の存在に気付くことが出来たんだ。 「何か……ちょっと似てるね」 『? 何が?』 「この星空。まるで、あの日みたい」  ここは地元より明かりが多い。景色もそれほど開けていなくて、実際は、きっとあの日の空の方が綺麗なんだろうけど。  それでも大切な人の声を聞きながら、私はまたそれを見上げている。同じものを、きっと遥也も見ているんだろう。  だから、やっぱり似てるんだ。 『うーん……そうか?』 「そうだよ」  どこで見上げたって、君と一緒に見上げていられるのなら――。
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