あの日の空に似て

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 携帯が短く震えた。画面を見ると、充電がもうすぐ切れると警告が出ている。携帯を充電器にセットして、床の上に横になった。何だか少し眠い。 『もうすぐ夏休みだろ』 『会おうと思えば、いくらでも会える』  手放しかけていた意識の片隅から、まだ記憶に新しい声が聞こえてくる。少し前に風邪で寝込んだ時に、お見舞いに来てくれた彼が言った言葉だった。  夏休みまでは一ヶ月を切っている。その前に期末テストという大変な門を潜らなければいけないとはいえ、それはもうすぐそこまで来ていると言えるんだろう。……けれど、待ち遠しく思うものほど、いつもずっと先にあるように感じてしまう。  橋は、もう架かっただろうか。  二人は、約束の時間をちゃんと迎えることが出来ただろうか。  ……例えばどちらかが体調を崩していて、今年は一緒にいられない、なんて。  そんな七夕も、あったりするんだろうか。  ――そんなの。 「……寂しいよ」  どうか一緒に見上げていて欲しい。この星空を。仲良く手を繋ぎながら。  ぼーっと呟きを零した私は、いつの間にか見覚えのある景色の中に立っていた。  それが夢だと、気付くのは少し遅くなってしまったけれど。
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