あの日の空に似て

7/14
前へ
/14ページ
次へ
 ――なんて……油断なんかしていたら、いつもろくな結末にならないんだ。 「ッ……!?」  スニーカーなら、もしかしたら踏みとどまれたかもしれない。けれど今日ははき慣れているはずのない草履で、迂闊にも私はそれを失念しかけていて。  ――加えて、上ばかり見ているから。  地面を踏み外した勢いに引きずられるまま、私は斜面を滑り落ちていった。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加