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ルイーザが目を見張るような瞬発力を見せて中庭へと飛び出していく。その後ろを間を取ってアレクシスが続いた。僕は更にその後から目を引くように出て行き、手じかなドローンへと部隊装備の短機関銃P-051の銃口を向ける。中庭の各所に配置された多脚戦車――バケツから四本脚を生やした形状の戦車が持つ装甲は手持ちの短機関銃では抜けないため、狙うのはドローンだ。
トリガーを引くと、サイレンサーによって黙らされた乾いた発砲音が立て続けに中庭に響いた。一か所ではない。ルイーザもほぼ同時に鉛弾を空のドローンに向けて放っている。59、58、57、56――立て続けに数を減らしていくドローンを確認しながら、一度花壇の脇へと転がり込んで身を隠す。
落ち着いている暇はない。ルイーザは今も走り続けており、敵の注意を全身に集めている。
すぐに迎撃が始まった。応戦の7割ほどがルイーザに集中し、残りはほとんどが僕へ。攻勢に出ずルイーザの陰から教会へ近づくアレクシスは、敵のアルゴリズムでは未だ脅威判定が低いままのはずだ。明らかに、迎撃がルイーザと僕に寄っている。
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