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耳に銃弾を弾く硬質な音が届く。それは一度ではない。幾度も響く音の意味を正しく理解して迎撃に勤しむ機械に顔を見せる。
ルイーザの周囲で火花が散った。彼女の体を構成パーツのほとんどが機械だ。だからこそ先陣を切って、銃火の中を突き進むという選択を取っている訳だが、裏を返せば彼女の残りは生身の体であり、それは代えのきかない要素でもある。
銃撃の僅かな切れ目を感じ取って、僕は花壇の下から飛び出す。周囲のドローンは無視して、ルイーザを迎えるように構えているドローンを優先して落としていく。
ルイーザに応戦が集中しているといっても、援護に続く僕にも銃弾は降りかかる。彼女のように力押しできる肉体は持ち合わせていない僕は、AIの領分――統計と確率の世界に身を委ねる。膨大な実戦データに加えて、今現在の、リアルタイムに更新されるデータを駆使して、中庭の危険区域を評価していく。中庭全てを評価する必要は無い。僕ら隊員の周囲の危険を、危険となる要因を理解できればいい。
AIが危険を見切り、取りうるいくつもの選択肢の中から有力な解を選び出す。そうして提示された答えの中から僕自身が最適解を選び取っていく。
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