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夏の始まり。
日よりのいい午後。
教師がテキストを読み上げるだけの授業で目を開けていられる人間は、ドMの変態だと思う。
瞼を閉じたまま、机につっぷしてしまいそうになるのを耐えながら、マユコはそんなことを考える。
眠気覚ましに、窓の外を見た。
沿岸の埋め立て地に建てられた校舎は、4階の窓際から覗いて見ると、まるで海の上に浮かんでいるようだ。
学校は退屈で仕方がないけれど、校舎と立地だけは気に入っている。
最も、この町に中学校はここ一校のみで、選ぶ余地などないのだけれど。
そんな田舎で暮らしている自分にも、マユコは辟易していた。
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