眠れる教室

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白墨を手にスラスラと解答を書き上げると、 「さすがだな」 感心したように教師が唸った。 「ワタカベ」君は、立ち上がった時と同様に音もなく席に着くと、再び涼しい顔をしてノートを取り始めた。 ワタカベ・サトリ君 話をしたことはないけれど、名前なら知っている。 恐らく、クラスメイト以外にも、人となりは知られているだろう。 彼は全科目トップの成績を収める、学校始まって以来の秀才だと名高い生徒だからだ。
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