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 親を、恋人を、仕事を。  足の自由さえ失ったあなたを見て、俺は、喜んでしまった。  ーーこれであなたは俺だけのものだ、と思ってしまった。  醜い。  だけど、お願いします。  俺をどれだけ軽蔑したっていい。  だから、お願いします。 「俺が、先輩の半分になります。足の代わりになります。先輩の重荷を背負います。 だから、どうか、生きて下さい。どんなに辛くて苦しくても。俺を置いていかないで下さい・・・・・・!」  卑怯で狡くて汚い俺は、先輩の優しさに縋り付いて頼んだ。  俺の太陽。  あなただけが、俺の生きる意味だから。
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