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後、数分で隣町の駅に着く頃、
思わず僕は女の子に話しかけていた
「お花綺麗だね。お母さんにあげるのかな」
「うん。お母さん、ヒマワリが大好きなの。だから、持って行くんだ」
「そっか。でもね…… 君は分かってないかもしれないけど、もう……」
僕が 次の言葉を言いかけた時だった。
女の子が、満面の笑みを見せて
「知ってるよ。私、亡くなってるの知ってるよ」
「え? じゃあ、何で…」
「だって、誰も気づいてくれなかったから… 気付いてくれるまで、電車に乗ってたの。誰かに、お母さんの事 話したかったの。お兄ちゃんが気付いてくれたから大丈夫」
「………」
「お空で待ってる、お母さんに会いに行ける。ありがとう気付いてくれて…… お兄ちゃん」
(次は…○○駅~ ○○駅~)
隣町の、駅に着くアナウンスとともに
白いワンピースの女の子はヒマワリの花束と共に 薄くなっていって、駅の到着と同時に消えた……。
満面の笑顔で手を振りながら…
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