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「その女の子…麦わら帽子被ってなかったか?後、三つ編みで…」
「はい?そうですけど。先輩、見かけたことあるんですか?」
僕がいつも見る女の子と同じ特徴だった。
なんだ、先輩も見かけたことあるんじゃないか。
と軽く考えていたが、先輩の次の言葉で僕は 衝撃を受けることとなる。
「あの女の子…2年前に交通事故で亡くなってるよ。この駅の近くに交差点あるだろ?あそこで…… ちょうど、明日かな…亡くなった日は」
え?
ちょっと待って…
亡くなってる?まさか、だって、、あの子 あんなにクッキリ見えてたし、会話もできたんだぞ
それに、花束だって手渡したし……
亡くなってたら、手渡しなんかできないだろ普通
経験ないから分からないけど……
「なぁ、その子…… 隣町の駅でおりるだろ?いつも」
「……あ、、はい」
「2年前の、7月かな。その子の、お母さんが病気で入院したんだって。お父さんは仕事で、夜遅いから 毎日、その子は病室で寝泊まりして 朝方 お父さんに連れられて帰ってたらしいな。俺も直接、聞いたわけではないから、人伝で聞いたことだし、真実かは分からんが… その子は今も 、もう存在しないお母さんの、お見舞いに通ってるんだろうな…」
「ちょっと待ってください…その子の、母親は…」
僕の言葉に目を伏せた先輩は静かに息をはくと
「…… 助からなかったみたいだね」
と、切なげに呟いた
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