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そこは迷わず頷かれ、ふうんとぽてぽてテーブルへ戻る。
「大事にされてるわよねー、この結界とか」
感心しているが、それはリオじゃなく俺が作った魔道具だ。面倒だから言わないけど。
「あ、そうだ。なあおい、旦那に敷地広げねーか聞いてくれよ。俺ら新しい区画に移るんだ。メンバーが抜けるからよ、こっち清算して分配すんだよ。高く買ってくれ」
「よし買った。値段交渉だ、買い叩くぜ」
勢いよく立ち上がり、柵を越えてそいつらに現地を見せろと食いつく。
「あ、出てきた」
「やだ、旦那に怒られない?」
なんで怒られるんだよと少し呆れ、隣の家にお邪魔する。
うちも柵を三メートルまで伸ばしているが、隣も木の板で囲っている。建物の上は見えるのだが、庭部分は見えないのだ。
「うわ、ぼろい」
「ここらじゃ普通よ。あなたのとこがおかしいの」
「ああ、貴族の家が迷い込んでる感じだな」
敷地面積はいいとして、建物は駄目だな。更地にして畑にするとして、と考え交渉へ移る。
女性の方が粘り強い交渉をしてきたので、異様な盛り上がりとなり、他のメンバーも出て来てしまった。
平均身長が高い中、ギャンギャン言い合う俺と女性だけ背が低い。もしかして身長のせいで俺が嫁認定されているのではなかろうか。
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