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現在の俺の一日は、午前、スラムマラソン(およそ三時間)、訓練、朝食、畑の世話。昼食後の午後は、ジルのところか地下か庭。夕方リオが帰宅するまで野菜売り、となっている。
スラムの池は二個でやめた。マラソンのとき、たまに魔力を補充している。
トールの残した野菜もなくなったので、炊き出しも終了だ。なのでスラムには、早朝マラソンでしか行っていない。
ますます平和な日々となっている。
そんな幸せ生活を満喫し、キャベツを売りに出し始めた頃。昼の食休み中という、大変珍しい時間にリオが帰宅してきた。
むっつりした顔で庭まで来て、俺を抱きしめて肩にぐりぐりと額を押しつけている。
「どうしたリオ?」
「しばらく向こうに泊まる」
「向こう?」
リオの背中をポンポン叩いて話を聞くと、魔法使いの卵をネイトが見つけたとのこと。
念話がきて、自動ドアでネイトのところへ行ってきたそうだ。
そして卵とネイトを回収して庭へ連れて行ったのだが、マーヤは頼りにならず、オーバンはロズと一緒に世話をしている畑で精いっぱい。ネイトも役に立たないので、急遽ウーゴを捕まえて放り込んできたそうだ。
とはいえ、循環と制御と精神修行を教え、魔法使いの暴走も止めないといけない。リオもすぐ戻ってきてくれと言われたそうだ。
今まではトールが全部やっていたが、もうトールはいない。
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