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背中に俺を張りつけたまま、ちゃちゃっと料理を作ったリオから離れ、一緒に夕飯を食べる。
「どんな状態だ?」
「説明をして、循環の練習からだな。あんまうまくないんだよ、よく暴走しなかったって呆れるくらい」
「じゃあそんなに魔力多くない?」
「今のところ。ネイトも少し悩んだみたいだけど、一応な。これからまた増えそうな感じではあったし、いい判断なんじゃねーか?」
これなら夜は帰ってもいいだろうと言ったが、引き留められてしまったと嘆くリオに、笑みを浮かべる。
「朝は起こしに来てくれよ?」
「うん、クリスもなんかあったら、まあなくても、念話してくれよ」
「そうだな、昼の休憩時間に毎日連絡する」
食事を終え、再び抱き着き虫でコーヒーを飲む時間を確保し、存分にお互いを補給し合う。
正直な話、仮死体験後からリオと一番長く離れていたのがトールの死辺りで、それも一日半程度だ。
夜は常にリオがいたので、これから出かけて行く実感がわかない。
なんだかそわそわと落ち着かなくて、リオの胸にすり寄ってしまう。
「あ、クソッ。クリス、念話きた」
名残惜しくもベタ甘タイム終了のお知らせに、リオが苦々しく顔を歪めて舌打ちをした。
「わかった。結界忘れるなよ?」
「ん、クリスと寝れないのすげーやだ。一人でするなよ?」
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