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「へー。大人しいのはいいな。イーサはあれ以上大きくなっていないだろうな」
「どうかな? あんま気にしてなかったから、ちょっとわかんねーな」
手に持てなかったパンやコーヒーを浮かせて運ぶリオに、持つのにと言ったら離れるなと言われて笑ってしまう。
「クリス、俺の膝で食ってくれ」
「了解。疲れとかないか?」
「クリスが足りないくらいで、あとは平気」
「じゃあ食べさせてくれ」
朝からのイチャつきは、やっぱり恥ずかしい。
けどリオは、またすぐに向こうへ行ってしまうので羞恥心を押し殺す。
そうして存分にお互い甘えて、送り出した。
スラムマラソンはサボったが、刀の練習はちゃんとしてから畑の世話に移った。
午前を無心で草取りに費やし、昼食後はコーヒーを飲みながらリオと念話で会話した。と言っても魔力の問題であまり話せないのだが。
午後はジルのところへ行き、卵の話をしてから泣き言を聞いてもらう。
「寂しいなら僕のところで寝ればいいじゃない」
「そうしたいですけど、リオが発狂しそうですよねそれ」
「乗り込んでくるだろうから、捕獲して三人で寝ようか」
「あ、いいですね。楽しそうです」
書類に不可を捺し、でも今からこれじゃ気が重いと、ため息とともに本音をこぼす。
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