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「練習なんて考えちゃ駄目だよ? 意味ないんだからさ」
「ですかねー。あー、ほんと、二人の魔力がもっと増えればいいのに。具体的には俺くらい」
「そうなると、僕が一番長生きになるのかな? エルフの魔法使いって、聞いたことがないね」
そうなんですか? と他愛もない話をし、家に戻る。
この時間はいつもリオがいないので、気にしたら駄目だとサロンでコーヒーをすする。
なんかしようと地下へも降りてみたが、棚の素材を整理しただけで一階へと戻った。
ウロウロと部屋から部屋へと移動し、浄化をかけて掃除をする。
まだかなーと廊下のソファーに転がり、黒いドアが現れるのを待った。
暇なので廊下を転がっていたら自動ドアが現れ、ガバリと起き上がり扉が開くのを待つ。
バン、と勢いよく開いた扉から、リオとウーゴが出てきた。
「クリス!」
「え、はい」
リオがドアを消して、廊下で上半身を起こしていた俺を拾い上げ、ぎゅうっと抱きしめてきたので抱き返す。
「疲れた。すげー疲れた。マーヤが最悪なんだよ! なんなんだあいつっ」
そこから一通り文句を言い、ふう、と一息入れたリオの頭を撫で、お疲れと笑いかける。
「……ウーゴ、俺は今日あっち戻んねー」
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