1140人が本棚に入れています
本棚に追加
スープを差し出すリオに口を開け、味を確かめ頷く。
「うまい」
「ウーゴ、手伝ってくれ」
リオから皿を受け取り、ウーゴがテーブルに並べていく。俺は抱き着き虫なんで、手伝えません。
俺より重症と判明したリオの膝に乗り、口を開けるだけの食事をする。
ウーゴの視線が定まらず、だけど気になるのかチラチラこちらの様子を伺っている。俺だって他人がいる状況でこれは、恥ずかしいんだぞ。
そんなことはおくびにも出さず、美味しいとリオに笑いかける。
食後のコーヒーを飲みながら、ウーゴがリオに我慢しろよと言っている。リオは限度があると怒っていて、相当マーヤの態度におかんむりな様子。
「イーサは気にしてないって言ってたろ?」
「俺はイーサを奴隷として連れて行ったわけじゃないし、あいつはマーヤの八つ当たりの的でもない。どっちも料理が作れないんだぞ? それを棚上げにして、置かせてやってる? ふざけんじゃねーよっ」
リオの腕の中で煙草を吹かし、二人の話を聞き流す。
魔法使い同士の話で俺には関係ないと、すっかり引退者気分だ。
「そう言うなって、マーヤもトールさんのことで落ち込んでるわけだしよ」
「限度がある、って言ってんだよ。イーサにはまったく関係ねーだろ」
最初のコメントを投稿しよう!