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策略
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黒アオザイに黒ズボンで、背に魔法袋を背負ったリオがやってきた。
脇の紐を三つしかしていないところが憎たらしい。
魔法で土のテーブルを十個ほど作り、そこに鍋を置くリオとすでにできている行列を眺めて、俺は煙草を吹かしている。
なんでこんなお行儀のよい行列ができているのかというと、前に群がった連中を容赦なく吹き飛ばしたからだ。リオが。
脅しをかけた奴はざっくり殺していたからだ。リオが。
そしてお子様はお子様用の列がある徹底ぶり。
たまに血が舞う列は、横入りでもした奴がいたのだろう。お行儀が悪い列は量が減るのだ。さすがリオ、スラムを牛耳っている。
「カールさんよりリオの方がボスじゃないですか」
「お前がそうしろって言ったんだろうが。知ってんだぞこの野郎」
作業員は別口でもう食べ始めている。
カールを見ずに、俺はリオとたまに行列に並ぶお子様をチェックしている。
本当はリオを見ず、お子様に集中したいのだが、あの腹チラがそうはさせてくれない。絶対わざとだよ、あれ。
「くそっ、気になる。なんだあのいやらしさは。男の癖に腹チラで誘惑するとは」
引き締まった腹が見たい。ぺろんとめくってやりたい。
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