第1章 ことのはじまり

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映画の上映時間まで少し時間があったため、アンニュイ野郎と私は近くの喫茶店に入ることにした。 アイスのカフェラテとドーナツを1つずつ頼み、並びの席に座った。 「今日見る映画は俺の好きな俳優○○が出ていてさ」 「へーそうなんだ」 「監督は〇〇で、過去には〇〇シリーズとか作っている人でさ」 「へーそうなんだ」 男の子と二人で喫茶店で会話をするなんて経験のない私は「へーそうなんだ」を連発していた。 「M(私の名)はさ、部活どう?すごい頑張っているみたいだけど」 「うん、ぼちぼちかな。厳しくて嫌になることもあるけど」 私は自分が通っている高校の中でも、厳しいことで有名な部活に所属していた。 「そうだよね、そういえば、Sさん(私の部活仲間)は1年生の時、俺と同じクラスだったよ」 Sは私と同じ部活に所属していた友人だった。 「へーそうなんだ」 アンニュイ野郎が言った。 「Sさんって、すごくかわいいよね」 私の心臓は一瞬止まった。
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