第2章 恋の行方

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気付いたら夏も終わり、季節は秋へと移り変わろうとしていた。 クラスでは席替えも行われたため、アンニュイ野郎とはあの映画デート以来、話さなくなっていた。 それもそのはず、私がなんとなく避けるような態度をとってしまっていたからであろう。 私がアンニュイ野郎にデートに誘われたことを囃し立てていた女友達たちも、私がデートを通して導いた「アンニュイ野郎はSが好き」という説を聞いて、何だか申し訳なさそうに「イジッてごめんね」なんて謝ってきた。 ただ、アンニュイ野郎はその後もSにアプローチするような様子もなく、クラスでは映画の話をしたり、授業中に映画の脚本を書いたりと、映画に没頭しているようだった。 私自身も徐々にアンニュイ野郎のことはどうでもよくなってきた。
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