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部屋に戻ってから制服に着替え、再び下に降りると既に朝食を済ませた様子の弟が入れ替わりに玄関へと向かう。
「いってらっしゃい」
そう告げる俺を振り返り、何とも言い難い顔をした後に宙翔は先ほどのように返事だけくれた。
父と母もきょとりと俺を眺めている。
「朝の満員電車が嫌でさ。友だちと、早く登校しようって話になったんだ。そうしたら教室で勉強も出来るし」
「あら、随分と仲の良いお友だちができたみたいで良かったじゃない」
母の言葉に父が笑顔で同意する。
「今日も遅いの?」とベーコンの上に目玉焼きを載せた更と、バターが塗られたトーストを俺に渡しつつ母が問う。
俺は頷いて、受け取った食事をテーブルに置き、空のコップに麦茶を注いだ。
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