6 火曜日

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◇ 授業が全て終わり、荷物をまとめて教室を出る。 今日は誰にも呼び止められずに済んだし、前席の『黒澤』も朝以降は部活の話も振ってこなくてほっとした。 昇降口には既に咲羅が空を仰ぎながら待っていた。 駆け足で隣に並び、同じように空を見上げる。 どんよりとした雲に覆われて、周囲は昼間よりも暗くなっていた。 「雨降りそうだな」 「そうだね.....あ、傘持ってるから平気だよ」 寄り道は必須らしく俺は顔を綻ばせて彼女の隣を歩いた。 学校の近くにあるコンビニで、咲羅は定番のショートケーキ(散々悩んでそれか、とは言わない)、俺は目に入ったチョコレートケーキを購入する。 神社に辿り着くまで降りはしなかったが、雨の気配と匂いがした。 二人でお参りを済ませた後に奥のベンチへ腰掛ける。 「いただきまーす」 受け取ったショートケーキのカップを空けた咲羅が嬉しそうに口に運んでいく。 俺も同じように自分の分を空けて口に放り込んだ。 甘みが脳にまで染み渡って、朝からいろいろと思考を巡らした疲労感が癒されていく。
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