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人の少ないバスプール
バスはもうほとんどない
その代わりにタクシーとか、自家用車とか
その中に黒塗りの一台の車。
そこに寄りかかるスーツ姿の1人の男。
「おかえり。待ってた。」
「ただいまです。」
車に寄りかかったままタバコをふかしていたのは、青木裕也
3つ年上の社会人
高校を卒業後、就職した先輩
それなりにいい会社に入ったと聞いた
大人しいぶって、両手でカバンを持つ私
「おいで。」
優しく笑う先輩の声に促されるまま歩み寄る
タバコの匂いが鼻をかすめた
タバコを持っていない手で引き寄せられる
そのまま唇を重ねられた
ゆっくりと唇を離す私の口から発せられる言葉は皮肉
「誰かに見られたらどうするんですか・・・?」
「誰も見てないよ。」
そう言って不敵な笑みを見せる先輩
「ご飯食べた?」
「まだです。」
「じゃ、どこか行こっか。」
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