第1章

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先輩はメニューを決めるときは遅いくせに 食べるのは早い 今日も私がまだ半分くらい残っているのにも関わらず 先輩は食べ終えていた。 黙々と食べるわたしを先輩は見つめている 「食べづらいんですけど。」 「えー、見てたいんですけど。」 「ヤです。」 「俺もヤです。」 意味のない会話をして、 結局先輩に見つめられながら黙々と食べた。 「彼氏作らないの?」 「・・・なんでですか?」 「なんとなく。」 「彼氏いたら先輩と会わないですよ?」 「本当?」 「え・・・?」 「本当に会ってくれなくなる?」 どこか悲しそうに、優しく微笑む先輩に言葉が詰まる。 「友人、としてなら、会わなくもない事もないです。」 「そか。体を重ねる友人?」 「それは友人じゃないです。」 「冗談だよ。」 とても冗談には聞こえない。 「じゃあ、彼氏ができるまで楽しまなきゃなぁ。」 私はその言葉を無視して、最後のハンバーグを食べた。
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