第6章 black★line

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第6章 black★line

 透明人間がテレビ朝日に現れたらしい。  どーせヤラセだろ?  CGを駆使すればどーにでもなる。  最近の番組はマジでつまんない。   女囚セブンなんてサソリのパクリだし?  ラストコップなんてあぶ刑事のパクリだ!  オリジナリティーが感じられない。  俺はテレビを消した。  つまらん!  視聴率を上げたくて仕方がないんだ。  昨夜未明に発生した火災もヤラセじゃないのか?  俺はブラックラインに乗った。  名前はblackだけど、意外とキレイだ。  イエローラインが1番いいらしい。  レッドラインは運転手の思想がヤバイ、ブルーラインは賃金が安い、ピンクラインは裏風俗が経営している、ブラックは過労死が多いらしい。  事故がやたら多いらしい。  黄色が違うとキ○ガイだからな? 『次は闇丸~次は闇丸~』  車掌の声がやたら暗い。  うつ病なんだろうか? 『死なせてくれ~死なせてくれ~』  ヤバイわ!  これから闇丸電機で買い物しようと思ってんのに。車掌はハァハァ溜め息を吐いてる。 「長崎くん?この列車マズイかもね?つらいとき~誰がいてくれた~?」    アユミが言った。 「浜崎あゆみの歌にそんなのがあったよね?」 「あ~?わかった~?これからもずっと~この歌声がアナタに届くよーにと♪」  さぁ、このフレーズの歌は何だ!?  黒い波形の紋様をあしらった車両が軋んでいる。 『助けてくれ~』 「鍛えが足りないのよ」  アユミが辛辣なセリフを吐く。  これだったらサクラに騙されてもピンクラインに乗るんだったな?俺はまだ死にたくない!  アユミはグランジファッションをしている。  グランジには汚いって意味がある。  迷彩色のバンダナにチェックのネイルシャツ、穴開きジーンズ、ワークブーツ…………傍目から見たらホームレスだ。  ファッションに詳しいダチが教えてくれた。 『そりゃあ1993年代のファッションだね?』  マーク・ジェイコブスってデザイナーによって編み出されたファッションらしい。  ジャイ子ブスではない!  最近、体が動きにくい。  パーキンソン病でないかと疑いを持っている。  パーキンソン病にはタバコがいいらしい。  たまにマルボロでも吸ってみようかな?  ストレスチェックなんて会社の策略だ。  あれを受けてストレスがスゴい人間を切り捨てるって寸法だ。 『闇丸~闇丸~』          
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