第7章 デコラゾンビ

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第7章 デコラゾンビ

「500円玉ってホントに便利だよな?」  三郎が言った。  500円玉が登場するのは1982年だ。  怪人20面相とお近づきになれるなんてな?  僕は1975年生まれだ。  アラレちゃんごっことかよくやったもんだ。  ミサキはどことなくアラレちゃんに似てんな?」  ミサキは1977年生まれ、話があいそうだ。 「1年B組新八先生知ってる?」 「あたぼーよ」 「ヒゲダンスはウケたよな?」 「カズマってどことなく茶に似てるね?」 「ブラウンカマオ」  ナツミが横から入ってくる!  うぜーなババァ!  ナツミは1968年生まれ、ポットン便所で育ったクチだ。テレビは白黒、鉄腕アトムなんてダサくない?  小学3年生のときにグリコ森永事件が発生した。  人を殺さずに大金を儲ける!  スーパーヒーローだった。  9才にもなればサンタクロースなんかいないと気づく。仮面ライダーはツクリモノと気づきはじめるのだ。石ノ森の金儲けに利用されていると、悲しいかな気づきはじめるんだ。  だから、怪人20面相には親近感を覚えた!  ショッカーを何体も倒すのは不可能だけど、金を奪うことだったら僕にでも出来るんじゃ!? 「随分と古風なカッコをしてるな?」  メガネを外しながら三郎が言った。 「視力はそんなに悪くないんだ?」  ブルーベリーミサキが言った。 「ウン、ナカナカ素敵な顔をしてるな?もう、メガネを外しても大丈夫だろ?」 「サスガのマッポも死人に手錠はかけられない」  ミサキは不敵に笑った。 「あんたら共犯?」  僕は不快な汗が着物の中を伝うのを感じた。 「察しがいいわね?」  ナツミが言った。 「奴の裏切りがなければ俺がボスになるはずだった 」三郎が苦虫を潰すような顔になる。  「正露丸でも噛み砕いたか?」  我ながらナカナカのギャグだ。    ショルダーホンが鳴り出す。 「タカさん?え?ゾンビがそこまで!?」  ライオンを出て4人は疾走した!  カズマは《メリケンサック》《サバイバルナイフ》《鉄パイプ》と武器をたくさん持ってる。  ナツミは《鉄パイプ》しか持っていない! 《逃げる!》を使えるのはナツミだけだ! 「ミサキ!死んでもナツミを守れ!」 「はぁ?指図してんじゃねーよ」  ポルノ雑誌の販売機の裏からパステルカラーのゾンビが現れた! 「デコラゾンビ~」  ウガァァ!!    
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