背中を押して

3/4
前へ
/28ページ
次へ
「あーもう。あのチキン野郎まじうざい」 「またTwittorで知り合った人になんか言われたの?もう話さなきゃいいのに」 今は昼休み。今日はいつも一緒で同じ部活の優香ちゃんと、たまたまそこに居た智洋くんと食べてる。ちなみに私たちは幼馴染だ。そして昨日の苛立ちが抑えきれず愚痴ってる。 「根本的なところは優しいんだよねー。でもとてつもなく言い方がうざい。あーあ、智洋みたいに優しい言い方してくれたらいいのに」 「そんな僕は優しいかな?まあネットだと口調変わっちゃうし、その人も本当はそんな言い方してないかもよ?僕もそういう節あるし」 「ほらー、そうやって謙遜して、アイツも庇っちゃって、やっぱり流石だわ。智洋が口調悪いとこ想像できないし」 やばい。智洋まじイケメン。先輩がいなかったら好きになってたかな。でも幼馴染だし兄弟って感じなんだよな。 「てかさ、結局まだ相談してるって事は諦められないんでしょ、先輩の事。どうすんの?」 う、痛いところを突かれてしまった。諦めたくないけど、告白したって振られるのは目に見えている。そもそも私じゃ先輩に不釣合いだ。先輩にはきっと好きな人がいて、付き合うとしたらめちゃくちゃ美人の人に決まってる。 「ふてくされた顔しないの。どーせ自分じゃ無理だーとか考えてるんでしょ。そんなのやってみなきゃわかんないじゃん」 「そうやって自分を良く思えないのが結衣ちゃんの悪いところだよ。もっと自分に自信を持って」 長年の付き合いだからか、私が何を考えてるかなんてお見通しなんだな。 「2人とも、励ましてくれてありがとう」 でも、告白する気なんて持てないな。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加