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走って走って。
どこをどう乗り継いでいったのか、ヨウスケは東京行きの新幹線の中にいた。
わからない。わからないが、父の死さえ受け入れられないのに、母の再婚など、認められるわけがない。
そして、自分も……。
鞄の中にクシャクシャに丸めた紙切れ。
その中に踊る「解雇」の二文字。。
ふっと自嘲の笑みが溢れる。
父の死、母の再婚。そんなのは言ってしまえば他人事だ。気にしなければ、影響は少ない。
けれど、職がないという事実は直接自分に突きつけられている。自分で解決しないといけないのだ。
これから、どうしようか。
帰ったところで、生活できるのか。
ヨウスケは顔を手で覆った。
懐かしい五月の田園風景が、新幹線の窓の奥へ消えた。
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