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「足元にあるこのボタンじゃないかな?……あっ、ダメみたい」
私の背中にある扉、どうやって開けたらいいのだろうか。体を何とか外に向けた。本当に運転手がいた。扉を開けようとくぼみに手を入れ力を入れる。
無理かと思っていたが、なぜか軽々開いた。
外の新鮮な空気が中に入る。
「うわっ」
私は後ろにいた客たちに押され、外に飛ばされた。
「皆様、申し訳ございません。案内するので付いてきてください」
車内にいたお客さんが完全にいなくなったことを確認して運転手はそう言った。言われるがままに付いていく。
少し歩いたところで後ろで私たちは爆発音が聞こえた。
「オトドケ様、やりましたぞ!!」
「貴様ー!!我々があそこにいたらどうなってたと思うんだ」
反対側で言い争ってたのはこの人たちか。『オトドケ様』と言っている方はやつれてて今にも死にそうな男だった。怒鳴ったは筋肉質で顔が怖そうな男だった。やはり私が乗ってたあの場所は『女性車両』じゃなかったようだ。他にもそこから男性が出てきたのは見た。まぁ、他のところからうちの場所に出たとも言えるが。
「後にしてくれます?」
「すまん」
女子高生に突っ込まれる怖そうな顔の男性。見ていて虚しい。
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