暗闇の地下鉄

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私たちは線路をたどって発車した駅の方に向かっている。運転手によると、『前を発車した電車が次の駅を発車した瞬間に爆破した』そうだ。 オトドケ様とは一体なんだろうか。 今にも死にそうな男たちがそこまでして従うその者ってなんだろうか。 「オトドケ様って何なの?」 「気になる?なら、今すぐ裸になれ」 女子高生の言葉ににこやかに笑うやつれた男性。 「……いやよ」 「はん。いいや、ブスの体なんて見たくねえもん」 私は思った。お前の目は狂ってる。この女子高生がブスだと?いや、私は何言ってんだろう。さっき自分も思ってたじゃないか。自分を痴漢と言って騒ぐこの女子高生をブスだと。どうやら、頭が混乱しているようだ。なにせ三つの事件が重なっているのだから。一つはやってもいない女子高生の痴漢。二つ目は地下鉄での停電。そして三つ目はオトドケ様を拝める者達のこの爆破事件。 一番最悪なことはここが地下鉄のトンネルであることだ。地上ならスマホが使える。スマホでなら連絡もできるし、ニュースとか見れる。なのに通信制限や電波などで使えない。 そんなことを考える私を放ってやつれた男性は語る。 「警察がいないから話してやろう。俺らは私たち不幸から救ってくれるオトドケ様を拝めるオトドケ教。君たちも今なら入れる資格がある。それで何をするかは見ての通りだ。必ずオトドケ様が……」     
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