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世界塔と呼ばれる世界で最も高い塔『グランドフォール』
その塔の上に1人の少女がいる。
少女は何をするでもなく、塔の上から街の灯をただぼーっと眺めていた。
「やっぱりここに来ていたのか。」
「…アッシュ…」
アッシュと呼ばれた青年は静かに少女の隣に腰掛ける。
「お前は1人で何でも抱えすぎだ。全てを守れる奴なんていない。」
「……わかってる。」
そう返事をしたものの、少女の心は晴れることはない。
「はぁ……"ハル"」
"ハル"と呼ばれ、少女は青年の方を向く。
「お前は人の幸せばっかり考えてるけど、俺はお前にも幸せになってほしいよ。」
青年は優しい眼差しを少女に向けそう言った。
「…ありがとう…」
その優しい言葉と表情に、少女はやっと暗い表情を僅かに崩した。
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