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今なら、
当時は理解出来なかった光源氏の魅力も
理解出来るかも知れない…。
そんな期待も込めつつ。
けれども、やはり理解不能だった。
学べば学ぶほど、
光源氏にモノ申したくなってくる。
彼は無意識に、
女性に「理想とする実母の面影」を求め
次から次へと女を彷徨い続けるのだ。
女性達は皆、彼に夢中になってしまう。
…何故?彼の何処に惹かれるの?…
もし、
美貌、頭脳明晰、所謂「出来る男」との
火遊びを楽しみたいのなら、
『頭中将』の方が後腐れ無く楽しめると思うのに。
学べば学ぶほど、
光源氏に苛立ちを覚えていく。
いや、もしかしたら私は
むしろ既にどうしようもなく
彼に惹かれているのかもしれない。
愛情の矛先を違えてしまうと、
自己愛過多になり、「憎しみ」に転ずるように…
つまり、
私はもう彼の魅力に嵌まっているのだ。
…認めなくは無いが…
そこでふと思いついたのだ!
京都にあるという「紫式部の墓」に、
お墓参りに行ってみよう、と。
単なるマニアックな物書き気取りの私が、
彼女の壮大な物語を題材にして
異聞を書かせて頂くのだ。
これはご挨拶せねばなるまい。
そしたら
少しは気持ちが整理されるだろうか?
…少しは彼女の声を聴き取る事が
出来るだろうか…?
それは京都市内、
堀川通りと北大路通りの交差点近くにあった。
「紫式部墓所」の隣に「小野篁卿墓」もある。
思いの外小さく、
ひっそりとした場所で眠っていた。
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