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藤の花。イメージできる女性は着物の似合う和風美人。
しっとりと艶めかしい美女。といったところだろうか。
風呂上がりの美女も想像出来て、何とも艶めかしい…。
まず、男性ならほぼ夢中になるだろう。
…また、藤の木は蛇のように絡みつくあたり。
そこから連想されるのは
「女の情念」
これである。
イメージだけでなく、実際に「蛇」がよく絡みついているのだ。
「蛇」嫉妬や恨み、呪いの象徴。
その反面、「神」の化身として崇める習慣もある。
まさに、「藤壺の宮」そのままではないか!
源氏物語の作中を通し、ある種の念を感じるのは
作品のベースに藤壺の宮が流れているからかもしれない。
更に言えば、「情念」と言っても女性ばかりではない。
男性の情念も絡んでくる。
男性の情念…愛する女性への想い、源氏の君への嫉妬と怒り。
あたかも複雑に絡み合う「藤の枝」のように…。
『…そこまで読みとって頂けたなら本望ですよ。
私は既にこの世にはいません。解釈は読み手に委ねていますしね』
心なしか、少し寂し気な声が響く。
私は、彼女に一番聞いてみたい事を思い切って尋ねてみる事にした。
…風が再び優しくそよぐ。私の髪と頬を、優しく撫でていく…。
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