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おばちゃんの海産物を選ぶ眼は、
そんじょそこらのもんには、
かなわない。
雨の日以外おばちゃんは、
一年中行商に出かけていた。
「たけちゃん、
おばちゃん来たから、
アジ3びきとコロッケ6つ買うきて。
」とおかあちゃん。
おばちゃん手作りのコロッケもうまかった。
「うん、
わかった。
買うてくるわ」と僕は、
おばちゃんの外に出ておばちゃんのリヤカーのそばまで行く。
「おばちゃん、
アジ3びきとコロッケ6つちょうだい。
」「たけちゃん、
いつもおおきによ。
今日のアジもうまいで。
塩やきにするんかいの。
刺身でもいけるでっておかあちゃんに言うてよ」「わかった。
おおきに」と僕。
お金を受け取ったおばちゃんは、
しわくちゃの陽にやけた顔で「おおきにね。
また、
たのむよ。
」とリヤカーを押し始めた。
僕ら勝浦小学校の生徒は、
ほとんど知っていた。
あの名セリフを。
「なんぞや、
かんぞや、
いらんかいのし~。
」チリン、
チリン。
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