第6話 『ハマチの釣り堀』

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30分以内に釣り上げたハマチは、 全部持って帰れる。 その日もお父ちゃんに連れて行ってもらい僕は出かけた。 入り口のおっちゃんに600円払って釣り竿とバケツもらって、 いけすに近づいた。 お父ちゃんの黒縁めがねの奥の眼がきらっと光った(ように見えた)「さあ、 ハマッちゃん、 かかってや~。 賢いハマッちゃんかかってや~。 」とお父ちゃんは、 戦闘態勢に入っている。 僕も負けずに戦闘態勢に。 「ハマッちゃん、 かかってや~。 お父ちゃんとこより、 僕とこかかってや~。」しばらくしてお父ちゃんが、 釣り上げた。 「どうや、 お母ちゃん喜ぶで~。 」 30分やってお父ちゃん1本、 僕は無し。 そんなに簡単にハマチはかからない。 ハマチも賢いのだ。 帰ってその日の晩ご飯。 ハマチの刺身を前にして普通のお父ちゃんやったら「ハマチは、 出世魚やから、 たけひろもハマチに負けんぐらい賢くならなあかんぞ」とか言うけど、 うちのお父ちゃんのありがたいお言葉。 「これハマチやなくてメバチマグロやったらもっとええのになぁ~。 」さすが、 僕のお父ちゃんや~。 第6話終わり
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