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そう思い部屋に帰ると、彼女と話したせいか、涙はもう止まっていた。
初めてだった。
自分で感情を出し切らず終わった事が。
翌日。
パートを終えてアパートに、帰って来たらまた彼女がいた。
『何してるの?』
「タケル君。ノートと包帯買って来たよ。」
『なんで、ノートと包帯?』
「タケル君がぬいぐるみを刺すのと、妄想って言ったから、妄想を小説にしたらどうかなって、包帯はぬいぐるみの修理用。今日も入れてくれないの?」
…いやなんだよ。
…オレを好きになるやつなんかいないのに、、、。
…でもなんなんだ、、、。
…変わりたい自分もいるんだ。
…信じてみたい自分もいる。
『入れば。』
そういい彼女は友達として、部屋に入れた。
その後も彼女は頻繁にうちに来た。
彼女の笑顔は眩しくて、まるで大好きだった弟がオレに笑うような笑顔で、惹かれていくのがわかった。
初めて人を好きになる感情が大きくなればなるほど、僕の素は出なくなっていった。
嫌われたくない、、、。
失いたくない、、、。
その思いが感情をよけい閉ざした。
彼女に嫌われない人間を演じるようになったある日、夜
彼女がいない時、僕は爆発した。
また1号をめった刺しにした。
初日アミが縫ってくれて包帯を巻いてくれた1号は久しぶりに串刺しになった。
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