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喧騒響く居酒屋でご飯を食べなら、
「まだ諦めてないのか?」
「んー、当たり前。もう適齢期なんだから結婚前提のお付き合いできる人が欲しい!」
肩肘つきながら私を見たかと思うと徐ろに口を開いたマサキ。
「もうさあ、諦めて俺にしとけば?」
「は?」
えーーー!!!!!!
まさかの急展開ーー?!
「何言ってるの?! マサキは親友だよ? 私が欲しいのはカ・レ・シ! であり、将来の夫!」
「冗談じゃなくて俺は本気。もうさあ俺の嫁になってよ。モテる俺がなんで彼女も作んないでお前の側に居ると思ってるの?」
「親友だから?」
「あー。親友は認める。だけど、お前を誰かにとられるのはゴメンだね。取られるくらいなら俺が貰う。それに、お前に彼氏が出来ないのは俺のせいもあるしね。」フフン。
「? なんで?」
「正直な話、俺が牽制してた。」
「マジで?」
「ああ、大マジ。お前の見た目だけで近づいてくる奴らにムカついてた。中身も知らないで寄って来るなってんだよ。」
「なんだー。私がフラグ薙ぎ倒してるんだと思ってた。良かったぁ~。」
「あ。お前、恋愛フラグは薙ぎ倒してるぞ? 鈍感過ぎ! だから下心アリアリの俺をずっと側に置けんだよ。普通はもっと早めに気が付くよ? 親友でもこうして頻繁には会わんだろが。」
「え? そういうもんじゃないの?」
「ぷはっ。もうこのまま俺の罠に掛かっとけ。」
「なんかそれはそれで癪な気がする。」
「俺のこと嫌いじゃないだろ? むしろ好き?」
「そりゃ、親友だから好きだよ? 恋愛かはわかんないけどね。いつも側に居て当たり前な感じかな~。」
そう、いつも側に居ると落ち着くこの親友のことは男女関係なく好きである。ほんと、側に居ると落ち着くの! 別段、お姫様扱いされたりとかは一切無いんだけど、気を張らなくても良いというか。
喋っていても長い沈黙があっても心地良いと思う。
この親友だから会いたいんだと思っていたけど、実は違っていたのかもしれない?
今日、ハッキリと言われて気付いたことが一つ。
牽制してたって聞いた瞬間、ものすごく嬉しかった。
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