14.実力測定という名の

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〝今度は何を企んでいるのだろう〟 そんな私の思いとは裏腹に、城の案内は意外だと思える程順調に進んでいった。 図書室に大広間、謁見の間などなど、挙げていたらキリがない。相当な広さだと言えよう。 城の中をぐるりと一周、それだけで既に日が傾いてきている。 軽い昼食代わりと手渡されたパンを頬張りながら、 「この後はどこに行くの?」 「んーそうっすねぇ・・・・・」 天井を見上げて唸るクライシュ。わざとらしそうな腕組みが目に付いた。 その仕草で何となく察した私は、彼の横で顔が引きつった。 案の定、その嫌な予感は当たってしまう。 「──じゃ、実力測定っすね!!」 ───・・・・・ああ・・・だろうと思った。 騎士団員と一緒っすよ!───そのキラキラした笑顔を、私はきっと忘れないだろう。 実力を知らなければ、上手く利用することは出来ない──まさにその通りだ。 これもウェルバートの指示、それであの微笑みに説明が付く。 どうやら異世界での私は、戦闘は避けられない運命(さだめ)にあるらしい。 ───これは自分から飛び込んだ道だけども。 何となく想像は付くが、念のため「実力測定って何するの」と暖かな手を引く。 「んー・・・軽いバトルっすね。大丈夫っすよ、相手はちょっとした(・・・・・・)魔物っすから!!」 「・・・・・ちょっとした(・・・・・・)魔物かぁ」 その微妙な言い回しが気になる所だが、それは一先ず置いておいて。 ───何気に魔物とはこれが初戦闘なのかもしれない。 不安げな私に対して、「大丈夫っす!!」と再度クライシュに励まされる。 戦闘に不安を感じている、と思われているのだろうがそれは違う。完全な勘違いだ。 魔物とはいえ、生物を殺すことに抵抗? ──それも違う。ここに来てから、不思議と同情云々の感情があまり湧かなくなっている。 ・・・・・悲しいかな、殺しても何も感じない。
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