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どこまでやらせられるのだろう、という不安を抱えた状態で外へと出た。
やや朱が入った空の下、レンガの道に沿って歩く。
花のような模様の入った道を見つつ、
「・・・・・訓練所ってまだ?」
「施設の関係上、ちょっと遠いんすよ・・・・・」
そう言うクライシュも不満げだ。
ようやく着いた頃には、大分夕焼けも濃くなっていた。
「着いたっす」
ほら、とクライシュが示した先には、石レンガ造りの立派な建物。
宿舎もあるようで、横には別の建物も建っている。
私は小さい身体を反らし、それを見上げた。
「おおーおっきいねぇ、今も訓練中?」
「いや、今は──」
──ズドンッ
クライシュの声が、一際大きな地響きによって途切れる。足下から伝わる音で、無意識に地面を見つめてしまった。
───間違いない、音はここから・・・・・
強化された聴力が、地面の下からの音を伝える。──と、地響きだけでなく、人の声や剣の交わる金属音も微かに聞こえた。
思い当たる可能性は一つ。
「地下?」
訝しげな表情のまま、クライシュは頷く。解せない、とばかりに腕を組んで難しい顔をしている。
「──ええ、その通りっす。でも、妙っすね・・・・・こんなに音が聞こえるなんて」
「普段は聞こえないの?」
「かなり頑丈な造りなので、こんなに大きな音が聞こえたのは久しぶりっす」
クライシュが言うには、この地下には第2の訓練所の他に、とある娯楽施設があるらしい。
午後になると、騎士たちはそこで何かを楽しむという。
「──何かってなぁに?」
「それは着いてからのお楽しみっす」
肝心の何かというのがわからないまま、私達2人は地下へと向かう。
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